走ること=勉強? 

建築設計科の池田です!


 皆さん、村上春樹という世界的に有名な作家を知っていますか。何をバカなことを言っているのかと叱られそうですが、みなさん知っていることと思います。ちなみに、私はこの世界的に有名な作家の小説作品を一つも読んだことがありません。読んだこともないヤツが村上春樹について書くなと、村上春樹の小説作品を読破している山中先生には、再度叱られそうですが。時間ができたら、村上春樹の小説作品をじっくり読んでみようと思っています。


 私は村上春樹さんの「走ることについて 語るときに 僕の語ること」というエッセイの本を一冊だけ読みました。この本の第4章「僕は小説を書く方法の多くを、道路を毎日走ることから学んできた」という章に興味を持ちました。村上春樹さんは、ご自身のことを「作家(そしてランナー)」と紹介しています。彼は、毎日ジョギングを数十km走る作家兼ランナーであり、フルマラソンや100キロマラソンを完走したこともあるだそうです。


 村上春樹さんは「小説家にとってもっとも重要な資質とは何ですか?」という質問をよく受けるそうです。この質問に対して、この本の第4章「僕は小説を書く方法の多くを、道路を毎日走ることから学んできた」の中で、1)才能、2)集中力、3)持続力、と回答しています。
 

 1)の才能はどうすることはできないにしても、2)集中力と、3)持続力はトレーニングして獲得できるものであると述べています。
 

 その箇所を少し長くなりますが、本文から引用します。「このよう能力(集中力と持続力)はありがたいことに才能と違って、トレーニングによって後天的に獲得し、その資質を向上させていくいくことができる。毎日机の前に座り、意識を一点に注ぎ込む訓練を続ければ、集中力と持続力は自然に身についてくる。これは前に書いた筋肉の調教作業に似ている。日々休まず書き続け、意識を集中して仕事をすることが、自分という人間にとって必要なことなのだという情報を身体システムに持続して送り込み、しっかりと覚え込ませるわけだ。そして少しずつその限界値を押し上げていく。気づかれない程度にわずかずつ、その目盛りをこっそりと移動させていく。これは日々にジョギングを続けることによって、筋肉を強化し、ランナーとしての体型を作り上げていくのと同じ種類の作業である。」
と書いています。


 彼は、小説を書く=ジョギング と言っているのです。何かスポーツを本格的に取り組んだアスリートならば、上記文章後半部分はよくわかると思います。私はサッカーを通して身体のトレーニングを行ったので、よくわかります。陸上競技経験者は、このことがもっとよく理解できることでしょう。


 「小説を書く」を、学生の立場であれば「勉学」に置き換えてみてはどうでしょう。勉学=ジョギング となります。卒業して社会人となる2年生は、仕事=ジョギング としてみては。そうすると、道が開けそうな気がしませんか?だから、皆さんあきらめずにコツコツと勉強してみませんか。才能のない私も何か明るい兆しが見えそうなのですが。『一日わずかでも机に向かい、そして、その限界値を少しずつ気づかれない程度にわずかずつ、その目盛りをこっそり移動させて見ませんか。』


 ここからは、建築の学生へ
村上春樹さんは長編小説を書くことを下記のように述べています。
「長編小説を書くという作業は、根本的には肉体労働であると僕は認識している。文章を書くこと自体はたぶん頭脳労働だ。しかし一冊のまとまった本を書きあげることは、むしろ肉体労働に近い。もちろん本を書くために、何か重いものを持ち上げたり、早く走ったり、高く飛んだりする必要はない。だから世間の多くの人々は見かけだけを見て、作家の仕事を静かな知的書斎労働だと見なしているようだ。コーヒーカップを持ち上げる程度の力があれば、小説なんて書けてしまうだろうと。しかし実際にやってみれば、小説を書くというのがそんな穏やかな仕事でないことが、すぐにおわかりいただけるはずだ。机の前に座って、神経をレーザービームのように一点に集中し、無の地平から想像力を立ち上げ、物語を生み出し、正しい言葉をひとつひとつ選び取り、すべての流れをあるべき位置に保ち続ける−そのような作業は、一般的に考えてられているよりも遥かに大量のエネルギーを、長期にわたって必要とする。身体こそ実際に動かしはしないものの、まさに骨身を削るような労働が、身体の中でダイナミックに展開されているのだ。もちろんものを考えるのは頭(マインド)だ。しかし小説家は「物語」というアウトフィットを身にまとって全身で思考するし、その作業は作家に対して、肉体能力をまんべんなく行使することを−多くの場合酷使することを−求めてくる。」
 

 この文面を読み、私は長編小説を書く=建築設計(デザイン設計) と同じような気がしました。卒業設計や卒業研究を行ったことのある2年生は少しだけ上記文面を理解できると思います。
 

 建築設計(デザイン設計)を仕事で実施したことがない私ですが、そのような確信を得たのです。建築設計(デザイン設計)の仕事経験のある建築設計科の三橋先生及び川名先生に尋ねてみたいのですが。


 すこし長くなりましたので、ここらで筆を置きたいと思います。
 最後に、真夜中ジョギングをして二回警察官に職務質問され、そのうち一回は派出所に連行された経験のある池田が書きました。





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