「卒業設計・卒業研究」

建築設計科の池田です。


 今日は、卒業設計・卒業研究について書きます。


現在、2年生は夜遅く(10時)まで学校に残って、卒業設計を行っています。
来週あたりは、学校に宿泊する学生も出てきそうですが・・・。


 私は学生時代、ある先生から「卒業設計・卒業研究を経験する、しないは、決定的に違う」と言われました。
私も数年間学生を見てきて、この「卒業設計・卒業研究」が学生が一番成長する科目だと思います。


何故、学生が成長するのか?
理由を述べる必要があるかもしれませんが、経験しないとわからないこと、経験しないと語れないこと、というものが世の中にはあります。
よって、1年生は是非とも来年度、「卒業設計・卒業研究」を行ってください。
2年生は、卒業設計発表が終わって実感することでしょう。

 
過去の「卒業設計・卒業研究」の作品を掲載します。


 土屋夏美さん(茂原樟陽高等学校工業校舎出身)美術館を設計。
建設予定地の千葉県いすみ市は、房総半島外房エリアの1つの自然に恵まれた土地。
房総半島は、温暖な気候に恵まれ春の到来が早く、夏は海水浴客で賑わいをみせる。しかし秋冬は・・・さびしい。
そこで、いすみ市に美術館を設計することで、いすみ市に住んでいる住民も、近郊から来る人も、
美術館を通じてArt(アート)に触れて人々の芸術文化を豊かにし、まちの活性化をはかる、
このことが土屋夏美さんの設計コンセプトでした。






 青木敦くん(専修大学松戸高等学校出身)は、自然観察センターを設計。
首都圏に唯一残っている渡り鳥の休息地となっている習志野市にある谷津干潟に、自然観察センターを設計しました。
大都市東京近郊に干潟があるのは世界的にも珍しいそうです。
この渡り鳥や渡り鳥のえさとなる魚や貝類が生息する谷津干潟の自然環境を壊さないように、
しかし、谷津干潟を観察できるセンターを設計することが青木敦くんの設計コンセプトでした。
青木敦くんは、谷津干潟に何回も通って現地調査を行い、保存活動家の方にもインタビューを行いました。
彼の軽いフットワークと設計に対する情熱には頭が下がりました。







 胗田敏春くん(船橋北高等学校出身)は、
国際理工専門学校建築設計科史上、初めて建築構造に関する卒業研究に取り組みました。
テーマは「長周期地震動による免震建物の擁壁衝突問題とダンパーの破断に関する検討」です。
今、地震に対して"エースの切札"とされている免震構造の問題点に関して研究を行ったものです。
胗田敏春くんは、この研究を発表、そして纏めてくれました。
VisualBasicというプログラム言語を使ってプログラムを組み、
地震時の免震建物の地震時挙動を視覚的に見られるシステムを構築してくれました。
現在、私の授業でも活用させていただいています。
今年度の2年生には建築構造に関する卒業研究に取り組んでくれる学生はいませんでした、残念・・・。





 以上、「卒業設計・卒業研究を経験する、しないは、決定的に違う」という言葉を信じ、過去の優秀な先輩のように
「卒業設計・卒業研究」を通して、自分を成長させてください。

建築 池田